プレーヤーには一番最近購入した、DELLのノートPCを使いました。いつも使っているGATEWAYよりも音がクリアで良いのですが、周辺機器の対応性に若干問題があり(音が途切れることがある)、イベントではGATEWAYを使っています。HD-7AとはUSBで接続し、ケーブルはwireworld
Ultra Violet 5-2 USB2.0を使いました。
この状態でPCにWAVEでリップしたいくつかの音源を聞いてみました。
HD-7AはPCとの接続でも、内部に備わったジッターキャンセルICの効果で、過大なジッターが発生せずS/N感に優れ中〜高域が滑らかです。癖のない緻密な音は、Victor
Laboratoryにシリーズに非常によく似て上品ですが、グッとくるパワー感が少し足りない感じも似ています。
この製品にはやはりVictorの流れをくむ「K2インタフェイス」が搭載されています。この機能を使うことで、周波数方向に4倍、ビット方向に4Bit分のデーター伸長が行えます。この機能を使った場合と、送料立替金でない場合の音質を比較しました。
K2インターフェイス(4倍オーバサンプリングモード)、インジケーター赤色
高域の周波数特性に変化が聞き取れ、高域がより高い周波数まで伸びてゆく。しかし、中低音がそのままなので全体的な音のバランスが高域よりになって、使わないときよりも音がやや細くなった。
K2インターフェイス(4倍オーバサンプリング+20Bitモード)、インジケーター緑色
高域の解像度感や伸びやかさの改善は「4倍オーバサンプリングモード(赤色)」と変わらないが、中低音が膨らんバランスが改善されたことで、何もしないときに比べ明らかに音が良くなるのが聞き取れる。お薦めのモードだ。
HD-7Rbはフロントパネルに電源スイッチもなく、非常にシンプルに仕上がっています。黙っていれば¥68,000でも高いと思うかも知れませんし、かなりディープなオーディオマニアでなければこれが68万円もする装置だとは絶対に気づかないでしょう。
接続は非常に簡単でHD-7RbとHD-7AをBNCケーブルで繋ぐだけです。ただ、周波数が高いのとクロック精度を落とさないために、高品質なケーブルを使うことを強くお薦めします。今回はAETのSIN/DG75相当品(両端BNC)を使用しました。
HD-7Rbの追加でHD-7Aの音はさらにきめ細かくなり、S/N感が改善されます。きめが細かくなった効果で音質にしっとりと艶が出て、より上品な音になります。木綿豆腐が絹濾し豆腐になったイメージです。確実に音は良くなります。良くできたクロックジェネレータであることは保証できますが、変化の絶対量が価格ほどは大きくないと思いました。
たとえば同じ68万円を追加投入するなら、HD-7Aの電源と出力ケーブルをAETのEvidenceに変える方が、何倍も音は良くなります。10MHzクロックとケーブルを同一に比較するのは間違っていますが、同じコストをかけるならば「他のアクセサリー」を使った方が、価格対効果は大きいと感じたことを付け加えておきたいと思います。
AIRBOW UX1SE/LTD \1,500,000
Antelope
Audio OCX
次にHD-7AとOCXをクロックジェネレーターとして使った場合の音質をAIRBOW UX1SE/LTDを使って試聴してみました。
Antelope
Audio OCX
UX1SE/LTDに追加することで音が非常に滑らかになり、アナログ的な雰囲気で音楽を聴けるようになる。
さらに10MHzクロックにPhasetech
HD-7Rbを繋ぐと音調はそのままで音が細かくなりました。しかし、HD-7Rbの出力電圧ではOCXは動作しないはずなので、今回は「エラー」として繋がったと考えた方がよいと思います。
HD-7A
UX1SE/LTDに追加することで音が細かくなるが、デジタル的に硬く高域が細くなる。明らかに良くなったと感じられるOCXとは対照的に、こういう方向の変化は好ましいと感じられない場合もありそうだ。
HD-7RbをHD-7Aに接続すると数割以上音が良くなったが、デジタル的で硬い音調は変わらなかった。