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JBL Studio 5 Studio 590ch 580ch 570ch 530ch 520C CH 音質 評価 価格 販売 試聴

JBL Studio 5 Series 音質 試聴 テスト

JBL社は1940年代にJames Bullough Lansingが設立した、スピーカーメーカーです。当時はまだ大出力トランジスターアンプが発明されていなかったため、低い真空管アンプの出力で大音量を得るために能率の高いスピーカーが必要とされていました。そのためほとんどのスピーカーは中高域にホーン型ユニットを採用し、ウーファーも能率を優先し軽量なコーン紙が採用されていました。JBLは初めての製品として、高能率38センチフルレンジユニットD130を発表し、その後 D131、D208、175ドライバーといった JBL社初期の名機とされるユニット群を発売しました。
1950年代に入ると、コンプレッションドライバー+ホーン、音響レンズ、リングラジエーターを採用したスピーカーシステムを映画館、シアター等プロ用スピーカーシステムとして販売し、スピーカーメーカーとしての地位を確立させました。同時期に家庭用スピーカーとして発売されたモデルには、「ハーツフィールド」や「パラゴン」があります。「パラゴン」は、木工職人のリタイヤによって作れなくなる1988年の生産中止まで約30年間という長きに渡り生産を継続しました。初期に作られたJBLのスピーカーはすべて「ホーン型」であったため、現在もホーン型と言えばJBLを思い浮かべるほど、ホーンとJBLは切っても切れない関係にあります。
JBLの社名は創始者の「James Bullough Lansing」のイニシャルです。James Bullough Lansingはアルテック社の副社長を務めるほど優れた技術者で、JBL社の名前を世界に知らしめたD130や175は彼の設計によるものです。古くからのJBLファンは、JBLのことを「ジム・ラン」と呼ぶことがありますが、この呼称は「James Bullough Lansing/ジェームズ・ビー・ランシング」に由来します。しかし、初期のJBL社の経営状態は決して良好ではなかったためJames Bullough Lansingは、1949年に自殺してしまいました。
従って「ハーツフィールド」や「パラゴン」以降に作られたJBL社の製品は、創始者のJames Bullough Lansingの設計ではなくなっています。
日本でJBLの名前を飛躍的に有名にしたのは、「ステレオサウンド誌」が試聴室に設置したスタジオモニター「4343」です。「4343」は著名な評論家が絶賛したことからも、その地位を不動のものとしました。しかし、James Bullough Lansingが設計した初期のユニットを使ったスピーカーのサウンドは優しく繊細で、JBLの代表モデルスタジオモニター・シリーズの音質は全く異なります。
「4343」は大ヒットし、その後長い間「4300シリーズのスタジオモニター」はJBLの看板モデルでした。評価の高さとは裏腹に4300シリーズのモニターには、多くの欠点があり「鳴らす(いい音を出す)」ことが難しいスピーカーでもありましたが、この「難しさ」がオーディオファンの「やる気」を煽ったことも間違いありません。1970-1980年当時の日本のオーディオ市場の代表的スピーカーと言えば、JBLのモニターシリーズとTANNOYのビンテッジシリーズですが、この二つのモデルは「日本国内専用モデル」といっても過言ではないほど、日本市場でのみ大ヒットした製品だということは、案外知られていないようです。インターネットがなかった時代「名機」は、雑誌などの情報操作により生み出されていました。同様に1980-1990年に日本で大ヒットした、BOSEも日本市場でのみ知名度の高いブランドであったこともあまり知られていないようです。
個人的には4333(アルニコ/フェライト)から4344を経てK2-7500/9500に強い思い入れを持ち愛用していたことがあります。現在の逸品館3号館のメインスピーカーは、PMC BB5とTANNOY Kingdom Royalですが、それ以前はK2-7500を真空管マルチアンプ(チャンネルデバイダーも真空管)で鳴らしていました。K2-7500の音は、今でも忘れがたい素晴らしいものでした。
しかし、アクリルホーンを使ったK2以降のJBLトップモデルには、昔ほどの強烈な魅力が感じられなくなりました。また、スタジオモニターシリーズも「過去の亡霊」にとりつかれたように長期間デザインが変えないことで、現在のスピーカーとしては設計があまりにも古くなりすぎ、その間に進歩した他メーカーのスピーカーと比べて音質的なメリットも失われました。そういう経緯から、逸品館では最近ほとんどJBL製品を扱っていません。しかし、私のハイエンドオーディオへの水先案内人役を果たしてくれた、「オレンジサウンドのJBL」を忘れたことはなく、インターナショナル・オーディショウでもJBLのブースは常に熱心に見学しています。そんな私のアンテナに“引っかかった”のが2011年10月発売の「Studio 5 Series」です。

Studio 5 Seriesが従来のような「復刻モデル」ではなく最新の設計思想で作られていることは、その「外観」から読み取れます。現代のスピーカーの多くは「ラウンドバッフル(キャビネット前面の角が丸くなっている形状)」を採用しています。これはユニットから出た音(特に高音)がキャビネットの角で反射して歪みを発生し、自然な音に広がりと高音の滑らかさを阻害することを防止するためです。しかし、青いバッフルのJBLスタジオモニターシリーズの低価格品のキャビネットは、縁が一段高くなっています。この形状だと高音はキャビネットの縁で強く反射し、音の広がりと高音のスムーズさを損なわれます。それを放置しても従来の「売れるデザイン」にこだわることが、納得できなかったのです(タンノイのビンテッジシリーズにも縁がありますが、TANNOYのホーンは指向性が強いため縁の悪影響をほとんど受けません)。
しかし、Studio 5 Seriesのデザインは縁を取り去ったばかりか、高音がスムーズに広がるようにグリルとキャビネットの段差までなくし、さらにグリルを外した場合はキャビネットのとの段差を埋めるための「ホーンプレート」を付属するほどの念の入れようです。外観からしてJBLの「本気」が伝わってきます。

筐体を支える脚にも工夫があります。スパイクを差し込む樹脂の先端が平らになっていますから、スパイクを付けない場合(写真)でも床を傷つけずスピーカーを設置できます。スパイクを使うときには、写真の黒い樹脂の部分にすバイクをねじ込んで使用します。

この優れたStudio 5 Seriesの設計には、JBL社チーフエンジニアにして現代のフラグシップEVERESTやK2シリーズの生みの親であるグレッグ・ティンバース氏が携わっています。さらに卓越したウーファー開発で知られるジェリー・モロー氏の参画により、「新素材ダイアフラム採用のネオジム・コンプレッションドライバー」や「新開発PolyPlasウーファーコーン」を新設計・搭載するなど、価格を超える力作に仕上げられています。

試聴機材

 +   iPod Touch(MP3/320bps)AIRBOW NA7004/Special

 AIRBOW TRV-88SER Vintage

 Come away with me Norah Jones

Studio 580CHの試聴には、ホーン型アンプに芳醇な真空管アンプを組み合わせて「Vintage sound」を鳴らすため、プレーヤーに「アナログテープのような音のする」iPodとAIRBOW NA7004/Special の組み合わせを選び、アンプには開発が完了した(発売は2012年4月頃)AIRBOW TRV-88SER Vintageを使用しました。

 Studio 580CH メーカー希望小売価格 ¥115,000(税込)

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サランネットを取り付けたところ

サランネットを外したところ

サランネットを外し、付属のプレートを取り付ける

サランネットを外し、付属のプレートを取り付けたところ

バスレフポート

バスレフポートを付属のスポンジでふさいだところ

Studio 580CH 主な仕様

形式 2Way フロア型
使用ユニット LF:165mm×2
ポリグラスコーン・ウーファー
HF:25mm
コンプレッションドライバー
インピーダンス
最大許容入力 200W
出力音圧レベル 90dB
周波数特性 30-40kHz
クロスオーバー周波数 1.5kHz
サイズ(WxHxD/mm) 313×1075×348
重量 22.2Kg

音質評価

ネットあり・ノーマルジャンパー(金色のプレート)
Studio580CHは従来のスタジオモニターシリーズに比べ全体的に音が柔らかく、ホーン型の利点でクロスオーバー周波数が1.5kHzと2Wayスピーカーとしては、かなり低く、ウーファから高域を出さないので中〜高音の繋がりは滑らかです。

ノラ・ジョーンズの声は従来のJBLから想像されるような硬さはなく、テキスタイルドーム型ツィータを使っている2Wayスピーカーのような柔らかささえ感じられます。ハイハットやスネアドラムのブラシの音はホーン型らしく切れ味が鮮やかですが、硬質ではなくやはり柔らかいイメージです。580CHの高音は、同じホーン型のTannoy StirlingやTurnberryよりも柔らかく感じるほどです。この音ならクラシックも十分に楽しめるはずです。

スタジオモニターシリーズでは、ウーファー口径やキャビネットのサイズよりも低音が出ないと感じたことが多かったのですが、Studio 5は全く別物のように低音がしっかり出ます。ウッドベースは弾力があり、かなり低いところまで伸びて良く弾みます。キャビネットのサイズからは、これほど低い音が出るとは想像できないでしょう。
情報量(音の密度)は驚くほど多くはないのですが、エネルギーバランスに優れ音色や表現力が高いので、音楽を聞いていて非常に楽しく躍動感が感られます。
 ネットあり・AETジャンパー(HH Jumper EVD)(生産完了)

ジャンパーをAETに変えると、高音の切れ味と鮮度感、低音の量感と引き締まり方が全く変わりました。ジャンパーに新品を使ったため、最初は上下が伸びすぎて中音の厚みが薄くなって感じられたほどです。ノラ・ジョーンズの声にも厚みや暖かさがなくなり、ちょっとドンシャリが強くなりました。

しかし、20時間ほど鳴らし込むと印象は変わります。高域の伸びやかさや切れ味は変わらずに素晴らしいのですが、そこに柔らかさや空気感が加わるようになります。ある周波数からスパッと切れてなくなるように感じられた低音がさらに低く伸び、スピーカーのサイズをワンクラス大きくしたように感じるほど低い音まで体に伝わるようになります。ちょっぴり気になっていた情報量の薄さもほとんど気にならなくなりました。

 バスレフをふさぐ

試聴に使ったノラ・ジョーンズのソフトにはウッドベースが良好な音質で収録されています。バスレフスポンジのあるなしをウッドベースの音質で比較しました。スポンジがない状態では、サイズが信じられないほど低いところまで低音が伸び、また量感や音階も明瞭に再現されます。この低音は今までのJBLスピーカーよりも、格段に優れています。スレフポートを付属のスポンジでふさぐと、部屋の空気が揺れるようなふわりとした低音の動きが消えてしまいます。

低音が出る穴をふさぐのですから、それは当然です。バスレフポートをふさぐとスピーカーの動作が「密閉型」に近づくため、低音のレスポンスの向上が期待できます。しかし、レスポンスは全く変わらずただ単純に低音が出なくなる感じであまり面白くありません。

バスレフポートをふさぐのは明らかに低音が多すぎると感じられる場合の非常手段に留め、できる限りバスレフポートをふさがない方が良さそうに思いました。

 ネットを外す プレートあり

 付属のプレートには鳴き止めのため、裏側にウレタンが張られています

ネットを外し付属のプレートを付けてみました。中高音に張りが出て、音が一歩前に出ます。JBLらしい音ですが、バランスは明かな高音過剰(高域のエネルギーが強い)になり、また音質も硬く感じられます。サランネットを外しプレートを取り付けた音は、従来のスタジオモニターシリーズに近いものです。しかし、従来のスタジオシリーズに比べ 5 Seriesの低音は非常に良く伸びるので、聞き苦しいほどバランスは崩れていません。クラシックをお聴きになる場合には、サランネットは外さない方が良いと思いますが、JAZZやROCKの再生で音をを一歩前に出したいときや、高音の刺激・張りが欲しいときなどには、ネットを外してプレートを装着するのは”あり”だと思います。

ネットを外す 
ネットを外した状態で、プレートを付けずにおくとどのような音が出るのか?興味があって実験しました。

結論から述べると、「ネットなし、プレートなし」は「ネット付き」と「ネットなし、プレート付き」のちょうど中間の鳴り方をしました。ネット付きよりも高音は前に出ますが、出過ぎないぎりぎりの範囲に収まります。硬さもネット付きよりも幾分硬くなりますが、聞き苦しいほどではありません。

個人的にはJAZZやボーカル系のソフトでは、「ネットなし、プレートなし」が一番好みに合うかも知れません。見た目はあまり良くありませんが、音質は意外にバランスが良く楽しめました。

Studio 580CH 総合評価 
Studio 580CHはJBLの高級モデルのエッセンスが十分に感じられるエントリーモデルに仕上げられています。青いバッフルを捨てデザインを大きく変更したことは従来のJBLファンのイメージを裏切るかも知れませんが、その音質はJBLのエッセンスを適度に残したまま現代的に大きくリファインされ、組み合わせるアンプやお聴きになる音楽のジャンルへの適応力を飛躍的に高めていることは間違いありません。

逸品館ではスピーカーの癖が強く音楽のジャンルや鳴らし方を選び(鳴らしにくい)、なおかつ情報量がそれほど多くない(音の質が薄く軽い)JBLをあまりお薦めしていませんでした。しかし、Studio 580CHはその先入観を覆し、現代のホーン型スピーカーの模範とも言える高い水準の製品に仕上がっていました。

キャビネットの質感が同価格帯のVienna Acousticなどと比べて少し低いこと、音の密度や繊細さがそれらに比べてわずかに低いことが欠点ですが、ホーンらしい躍動感のある明るく楽しい音、サイズを超えた低音(軽く広がるホーンらしい低音です)はそれを補ってあまりある魅力を持っています。お聞きになれば、驚かれること間違いない超お薦めスピーカーです。

Studio 5 Series 一気試聴テスト

2011

年末に聞くことができた「Studio 580CH」は、私の想像を大きく超える高音質に仕上がっていました。しかし、シリーズ展開されているスピーカーは、必ずしも「価格=音質」という簡単な方程式でその良否は決まりません。判で押したような同じデザインの採用は見た目には優れていますが、各々の音質を最適化するためには大きな障害となるからです。ラインナップの一台が優れているからと言って、モデルすべてがよい仕上がりだとは限りませんし、装置とのマッチングやソフトとの相性、音楽のジャンルによって必ずしも「高いモデルが廉価モデルよりも良い」とも限りません。

年末テストの結果がラインナップ全モデルに共通するのか?あるいは、580CHだけが飛び抜けて良かったのか?確認のためJBL輸入代理店の「ハーマン・インターナショナル」の協力を得て、Studio 5 Seriesを一同に揃えすべてを一度に比較試聴する機会を設けることにしました。

ただし、発売されたばかりの人気商品と言うこともあって拝借できる時間が限られていたために時間がかかる詳細な採点は行わず、それぞれのスピーカーの特徴を文章でご説明するという方法で評価させて頂きました。

試聴には前回の580CHのテストと同じ機材を使用し、試聴はサランネットを付けたままで行っています。ただし、580CHのサランネットのあるなしによる変化が、ラインナップ全モデルに共通かどうかを確認するため、モデルによってはサランネットのあるなしを聞き比べてみました。

試聴機材

 +   iPod Touch(MP3/320bps)AIRBOW NA7004/Special

 AIRBOW TRV-88SER Vintage (2012年春頃発売予定 ※外観はブラックになり、真空管など細部が変わる予定です)

 

JBL Studio 530CH メーカー希望小売価格 ¥85,000(ペア・税別)JBL製品のご購入はこちら

方式

2Wayブックシェルフ型

ツィーター

25mmホーン型

ウーファー

φ133mm × 1

インピーダンス

最大許容入力

125W

出力音圧レベル

86dB

周波数特性

40Hz-40kHz

クロスオーバー周波数

1,500Hz

外形寸法

W214×H474×D223mm

質量

7.7Kg

<評価> (60年代のJAZZ、ボーカル向き)

530CHは570CHと同じユニットを搭載していますが、ウーファーが一つ減りキャビネットサイズが小さくなります。価格は570CHのちょうど「半額」です。

音を出して570CHと比べてみると、スピーカーを切り替えたことはわかりますが低音が見た目サイズの半分に減った感じはありません。カタログスペックを確認するとキャビネットが小さくなったことウーファーが一つ減ったわりには、低域の再生周波数下限が570CHの38Hzから40Hzと2Hzだけ高くなっているにすぎません。数字的にも低音があまり変わらないように感じられますが、実際に聴いた感じも低音は思ったほど減ってはいません。しかし、それは570CHの低音が少ないのではなく、530CHの低音が豊かなためです。530CHの低音はサイズを考えれば驚くべき豊かさと低さを持っています。このクラスの平均的なトールボーイ型スピーカーよりも小さいにも関わらず、低音はより良く出るように感じます。
Studio 5 Seriesのような低価格のスピーカーは、コストの関係でキャビネットの板厚をあまり厚くできません。そのため大型モデルではキャビネット強度が不足して低音が膨らみがちです。また530CHと570/580/590CHのクロスオーバー周波数が1.5kHzと変わらないことから、Wウファーの上級モデルにも2Wayで「2.5Way方式」が採用されていないようです。それらの理由によるのだと思いますが、530CHの低音はトールボーイモデルより量は少し減りますが、逆に膨らみが少なく質が高く感じられます。

ウーファーが一つになり1.5kHz付近での音がダブらなくなったことで、中域の濁りも少なくなっています。ノラの声は濁りが少なく、ニュアンスが豊かです。楽器の倍音は澄んでいて、トーン(音色)の変化がきちんと再現されます。音楽に耳を傾けるのに全く違和感が無く、自然で表現力の豊かな音です。

ネットのあるなしやジャンパー線による音質の変化は、570CHと全く同じ変化を示しました。

530CHはJAZZボーカル、特に古い録音のJAZZに非常に良くマッチする音質で、それらのジャンルを聞くのであれば7万円(税別・ペア)の価格が倍の14万円(税別・ペア)になっても通用しそうなほど素晴らしい音で音楽を奏でます。

20万円(ペア)以内の予算でJAZZボーカルを楽しむスピーカーをお探しなら、530CHを一番にお薦めします。価格が安く、競合店の多いJBLなので弊社の儲けは少ないですが、お客様には確実に喜んで頂ける自信のある製品です。Studio 5 Seriesのエッセンスが凝縮された、530CHはシリーズ中、最もコストパフォーマンスの高いモデルです。

JBL Studio 570CH メーカー希望小売価格 ¥70,000(1本・税別)生産完了JBL製品のご購入はこちら

方式

2Wayフロア型

ツィーター

25mmホーン型

ウーファー

φ133mm × 2

インピーダンス

最大許容入力

150W

出力音圧レベル

88dB

周波数特性

38Hz-40kHz

クロスオーバー周波数

1,500Hz

外形寸法(脚部含む)

W275×H873×D284mm

質量

15.6Kg

<評価> (JAZZ、POPS、ROCK、音楽ソフト全般向き)

アンプの音量をそのままにしてスピーカーをつなぎ替えると、音が少し大きくなりました。とりあえずアンプの音量を少し下げて、聴感上の音量を同じくらいにして試聴を開始しましたが、カタログで確認すると530CHに比べ570CHの出力音圧レベルが2dB高くなっていました。

カタログによると530CHと570CHに使われているツィーターと2Wayというネットワークの方式は同じです。それで570CHの音圧が2dB高いということは、ツィーターに入力される電力(音量)を調整するための抵抗値が小さくなっているはずです。そのためなのか、高音の歯切れの良さとメリハリが530CHよりも明らかに向上しています。シンバルの「シンシン」言う音や、トランペットのまっすぐ向かってくる感じ、ピアノの打鍵感(アタック)のメリハリなどに、ハッキリとした差が感じられます。 

低音の量感は530CHよりも格段に増えた感じはありませんが、ウッドベースのボディーの響きは少し豊かに再現されます。

570CHは530CHよりもメリハリのある傾向で音離れが良く、音がドライでさっぱりとした感じます。レンジサウンドと言われた頃のJBLの明るさや、ALTECのカラリとした明るさに通じる楽しさと躍動感を持つ、明るく楽しい570CHの音質はリズミカルなJAZZに非常に良くマッチします。

楽器やボーカルの表情に艶があり抜群の表現力を持っていた530CHに比べると、570CHの音はさっぱりしていますがより大胆でパワフルです。530CHにはない音抜けの良さや、明瞭感(クリアネス)の高さが感じられる570CHは音楽を大きく躍動させ、ライブ感が抜群です。AIRBOW TRV-88SER Vintageとの相性も抜群で、この価格でこれほど素晴らしい音質で音楽を再現出来るシステムは、他にはちょっと見つけられないという感じがするほど気に入りました。

JBL Studio 580CH メーカー希望小売価格 ¥115,000(1本・税別)JBL製品のご購入はこちら

方式

2Wayフロア型

ツィーター

25mmホーン型

ウーファー

φ165mm × 2

インピーダンス

最大許容入力

200W

出力音圧レベル

90dB

周波数特性

30Hz-40kHz

クロスオーバー周波数

1,500Hz

外形寸法(脚部含む)

W313×H1075×D348mm

質量

22.2Kg

<評価> (JAZZインストルメンタル、フュージョン、POPS向き)

再びアンプの音量をそのままにしてスピーカーをつなぎ替えると、今度はかなり音が大きくなりました。570CHと580CHのカタログの出力音圧レベルの違いは、530CH-570CHとおなじ2dBですが、音量の違いは570CH-580CHの方が大きく感じられました。

アンプのボリュームを絞り、音量を同じにして試聴を開始します。ツィーターの歯切れ良さは、570CHとそれほど大きく変わるわけではありませんが、低音はかなり豊かに感じられます。ちなみにカタログでの再生周波数帯域の下限は、570CHの38Hzから580CHでは30Hzと大きく向上しています。カタログスペックはあまり信用できないと主張する私ですが、今回の試聴結果とカタログの周波数特性は正確に対応しているようです。

ウーファーのサイズが530/570CHの133mmから、580CHでは165mmと大きくなったことでツィーターとの繋がり間(クロスオーバー周波数1.5kHz)近辺の音が少し「薄く」感じられます。トランペットの劈くような透明感が少し失われ、高域に少し濁りが出てきます。ボーカルはウーファーが大きくなったことが原因で、わずかに艶が減りさっぱりとします。そのためボーカルの色気や表現力では530/570CHに譲るようです。しかし、それは530/570CHを褒めるべきです。580CHでもボーカル帯域の表現力は良好ですから、心配はありません。
このように570CHに比べややクオリティーが失われた感のある高音に比べ、低音の量感は大幅にアップしています。ウッドベースは腹に響く重低音を伴って低く唸ります。バスドラムは空気を揺らす感じまで再現されるようになります。古いJAZZのソフトは低音があまり入っていないので530CHでも十分でしたが、新しい録音のJAZZやフュージョンを再生すると、クラスを大きく超える580CHの低音が生きてきます。580CHのサイズでは「キャビネットの緩さ」もまだあまり悪さをせず、バスドラムなどがわずかに遅れる程度で、低音は過度に膨らみません。

以前逸品館では、低価格ホーン型スピーカーとしてKripschをお薦めしていましたが、580CHはそれよりも安く、それよりも音が良いと思います。低音は驚くほどの量感と力感を持っています。高音は歯切れ良く、シンセサイザーの音が空中を自在に飛び回ります。ボーカルは少しさっぱりしていますが、メリハリが効いていて押し出しのある低音と切れ味のある高音に負けずに、前に出てきます。音量を絞っても音が痩せないところも魅力です。
気に入って聞いていたのですが、ソフトによっては「音の膨らみ」が少し気になってきました。そこでアンプをダンピングファクターの高いトランジスター方式のAIRBOW PM11S2/Ultimateに変えるとどうでしょう?低音の膨らみや緩さ、遅れ感が消えて低音が見事に引き締まりました。この低音なら不満はでないでしょう。

最後にサランネットを外して音質をチェックしました。ネットを外し付属のプレートを装着すると中高域の透明感と切れ味がさらに向上し、580CHの最も良い音を聞くことができました。ワイドレンジでクッキリとしたサウンドを持つ580CHは、最新のPOPSやヒップホップ系の音楽、ROCKやフュージョンなど新しく録音の良いソフトにベストマッチしました。

JBL Studio 590CH メーカー希望小売価格 ¥120,000(1本・税別)生産完了JBL製品のご購入はこちら

方式

2Wayフロア型

ツィーター

25mmホーン型

ウーファー

φ200mm × 2

インピーダンス

最大許容入力

250W

出力音圧レベル

92dB

周波数特性

30Hz-40kHz

クロスオーバー周波数

1,500Hz

外形寸法(脚部含む)

W390×H1270×D414mm

質量

31.5Kg

<評価> (クラシック向き)

590CHと580CHとの音量差は他のモデルと同じ2dBですが、聴感上の差は今回テストした中では最も小さく感じました。

低域の再生下限周波数は、590CHと580CHでは同じ30Hzです。数字上の違いはありませんが、590CHの低音は580CHよりも量感あり、たっぷりしています。580CHでも不足の無かった低域ですが、重低音〜低音はさすがにサイズの大きさの違いだけあって、その量感は豊かで表現力も凄まじいものがあります。ちょっとした空気の揺れまでも再現されるように感じるほどです。この価格でこれほど雰囲気の濃い低域を再現するスピーカーは、他にはないでしょう。

このパワフルで雰囲気の濃い低域に比べると中域は密度が低く、表現力も伴っていません。580CHでもやや苦しかったツィーターとの繋がりが、590CHでは破綻しています。繋がり部分の音が薄く、特定帯域の音が抜けているような感覚すらあります。この欠点(癖)は楽器ではそれほど目立たないのですが、中域が重要なボーカルなどではちょっと苦しい感じです。

高域は、同じツィーターが同じクロスオーバー周波数で使われていますが、ホーンの開口部の大きさやスロート部分の角度が違うため、エネルギーバランスがあきらかに下がっています。530/570/580CHでは最高域までスッキリと伸びていた高音が、590CHでは最高域がなだらかに下がるように感じられます。このように590CHの持つエネルギーバランスは、重低音から低音が強く、中高域がやや薄く、高域の下が強く、最高域が薄いという上が細くなるややアンバランスな感じです。

いろいろな無理がたたっている?590CHのバランスは他のStudio 5 Seriesと全く違って感じられます。ボーカルが上手く鳴らないので、ボーカルやPOPSはマッチしません。器楽曲は比較的上手く鳴りますが、中域が少し引っ込むことを考慮しなければならないでしょう。

590CHの持つ低域が豊富で、硬さと密度の高い高域がそれに乗っかるというバランスは、鳴りにくいと言われたStudio Monitor系43**シリーズと似ています。実際に聞こえる音もそれに近い感じがするのですが、大型ウーファーと小口径ホーンを組み合わせた2Wayスピーカーの590CHは、JBL初代エベレストのD55000や大型Tannoyモデルに非常に近い鳴り方をします。そこで、思い切ってクラシックを鳴らしてみると!これが素晴らしくマッチするではありませんか。床を揺らし、空気を振るわせるホールのリッチな低音感が見事に再現され、バイオリンの硬さや切れ味も見事です。室内楽でも、交響曲でも、見事に鳴らし分けます。わずかに音の質感が低いという欠点はあるのですが、再現されるステージの大きさや雄大さがその欠点を補って余りあります。

この価格で重低音を含む生演奏や、ホール感をたっぷりと味わいたい、リッチな楽器のエネルギー感を自室で再現したい(それなりの広さと音量が必要)とお考えなら、590CHは最も廉価にその望みを叶えてくれるはずです。

JBL Studio 520 CCH メーカー希望小売価格 ¥49,000(1本・税別)JBL製品のご購入はこちら

方式

2Wayセンタースピーカー

ツィーター

25mmホーン型

ウーファー

φ100mm ×2

インピーダンス

最大許容入力

150W

出力音圧レベル

88dB

周波数特性

48Hz-40kHz

クロスオーバー周波数

1,500Hz

外形寸法

W555×H177×D168mm

質量

7.7Kg

<評価>

520C CHはホーン型スピーカーの欠点である指向性が上手くコントロールされ、正面と横で聞く音の違いが最小限に保たれています。

ツィーターとウーファーの繋がりも良好で、フルレンジスピーカーのようなまとまりのある音を聞かせてくれます。試しに590CHと一緒にならしてみましたが、音色の統一感が心地よく、Studio 5 Seriesの他のスピーカーと組み合わせて十分使えるセンタースピーカーであることが確認できました。

サラウンドではスピーカーが増えることで、同じスピーカーを使ってもステレオよりもずっと低音が出るようになりますから、Studio 5 Seriesでサラウンドを組まれるときには、フロントが570/580CHでリアは570CHが良さそうです。590CHは、中高音が抜けやすいのでサラウンドには余り向かないように思いました。

Studio 5 Series 総合評価

シリーズ化されるスピーカーは形骸的な製品が多い中で、Studio 5 Seriesはそれぞれに明確な個性が与えられた完成度の高い製品でした。

530CHは人間が敏感に聞こえる部分に音を集中させ、中音帯域に音楽の表現力を凝縮しています。2Wayらしい繋がり感の良い自然な感じとホーンらしい表現力の高さが上手くマッチし、ソフトの粗を暴かず音楽を艶っぽく豊かに鳴らします。シリーズ中最もコストパフォーマンスを高く感じさせるモデルです。

570CHは530CHの豊かな表現力をベースにエネルギー帯域をわずかに上下に拡大した、シリーズ中最も使いやすいモデルに仕上がっています。ほとんどのジャンルの音楽を癖無く、満足度の高い音質で再現します。真空管アンプとのマッチングにも優れ、組み合わせるアンプを選ばずに十分な仕事をこなします。

580CHは570CHの高音をそのままに、低音を充実させたモデルです。ウーファーのサイズが大型化したため、中域がわずかに薄くなっていますが特に大きな問題ではありません。サイズを遙かに超える豊かな低音は、POPSやROCKあるいはフュージョンのような、電気楽器が使われる新しい録音のソフトによくマッチします。組み合わせるアンプには、低域を引き締めるためにトランジスター方式の製品をお薦めします。

590CHは低価格で驚くべき低音を実現したモデルです。さすがにこの広帯域を2Wayで仕上げるのには無理があり、中域のエネルギーが明らかに薄くなっています。そのためボーカル系のソフトでは、音が硬く感じられたり、艶やかさが少なく感じることがあるかも知れません。しかし、空気の揺れまでが再現されているのでは?と感じるほどの重低音は、なかなか聞くことができないものです。ホールの空気感を再現する590CHは、交響曲の再生に抜群の能力を発揮します。組み合わせるアンプには、高域を柔らかくするために真空管方式をお薦めします。

シリーズ全体に通じる特徴として、サランネットを付けた状態ではバランスが良く柔らかい音が得られ、サランネットを外すと高音の切れ味と見通しが向上する傾向があります。また、付属のプレートは絶対に付けなければいけないというものではなく、プレートを付けることで高音が強調されますから、好みやソフトとのマッチングで使い分けてください。

Studio 5 Seriesはサイズの割に低価格なので、同じ予算で他メーカーよりもサイズの大きなモデルを手に入れられます。しかし、サイズが大きくなるに伴ってスピーカーに近い場所では音が混ざりきらずに上手く鳴りません。安いからと言ってスピーカーサイズを欲張ると失敗することがあるので、注意してください。

2011年 12月ー2012年 1月 清原 裕介

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